オリーブオイルで香らせて。

料理の仕上げに香りづけるということが、実は大きな要素と役割を持つ。
このひとかけが料理を完成させ、さらに食欲をそそる一品へと押し上げる。
食欲を刺激される香りに人は弱い。
それは太古の時代から、生きることに直径した本能が刺激されるからなのだ。
だから、本当は五感が研ぎ澄まされているほうが美味しさもわかることへつながる。
オリーブオイルはプリミティブな油だ。
紀元前3500年前にはすでに作られていて、ワインと並んで人間が最初に栽培した植物の一つと言われている。
製造方法は機械化が進んだとはいえ、実を絞って油を抽出するという工程はその時代からなんら変わりがなく、
それほどまでに完成された製造法を当時からしていたことは
歴史を紐解く考古学者たちだけでなく私のロマンをも掻き立てる。
いろんな場面でオリーブオイルが登場し一役買ったことを思わずにはいられない。
それはきっと、このオイルが放つ果実の香りの力だと思う。
とかく熱い夏、冷たく冷やしたレシピを好んでしまいがちだ。
確かに冷やすとのど越しも見た目も清涼感が増す。
だけど、味や香りは少し抑えられてしまう。
だから、仕上げにオリーブオイルを香らせるのはとても大事なのだ。

私はそう思って、せっせと夏野菜の代表格茄子をマリネにする。
しっとりと冷たい口福を香りとともに。

【茄子のマリネ】
 
 (2~4人前)
  長なす(大)… 2本
  にんにく … 4かけ
  赤とうがらし … 1本
  ローズマリー:5~6枝
  赤ワインビネガー … 大さじ3
  モンターニャ・サクラ … 大さじ7~8
  レ・マンフレディ … 適宜
  塩・胡椒 … 適宜

  <作り方>
   1.なすはヘタを落とし、にんにくはつぶし、赤とうがらしはヘタと種を除く。
   2.フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて、中火にかける。
   3.にんにくが軽く色づいたら、ローズマリーを加え、サッと油に通す。
   4.ローズマリーを取り出し、赤とうがらしを加える。赤とうがらしもサッと油に通したら、
     にんにくとともに油から取り出しておく。
   5.4に茄子を入れ炒め、塩を少し多めに、胡椒は少量をふり、5~6分間いためる。
   6.赤ワインビネガーを加えて火を弱め、取り出したローズマリー、にんにく、
     赤とうがらしを戻し入れて、火を止める。冷まして味をなじませてから食べる。
   7.器に盛りつけ、レ・マンフレディをひとかけする。

ボナペティート!!!

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オリーブオイルを使い分けるという美味しさ。

ベル・グストでは、3種類のオリーブオイルを取り扱っている。
詳しい内容はサイトに書かれている通りで、ここでは繰り返しになるので割愛させていただくことにするが、
私が使うなかで感じつあれこれを書かせていただこうと思う。

オリーブオイルがどんどん日本に普及して、ナショナルスーパーなどにいくと
こんなに種類があるのだと感心然りな陳列量に加え、名のあるトラットリアやリストラランテは、
そのお店の味にあったオリーブオイルを内外から取り寄せて使っている。
ネットのオンラインショップには、見たこともないような聞いたこともないようなものまである。
それほど、オリーブオイルが席巻している、すごいことだといつも感嘆しながら陳列棚を見ている。

そしてオリーブオイルといえば、真っ先に浮かぶのはパスタではないだろうか。
私も人生の半分以上オリーブオイルを使ってきたオリーブオイル崇拝者だが、やはり最初はパスタだった。
そのレシピがラジオから流れてきたときには、わけもわからないのに
なぜか絶対美味しいから食べてみたいといそいそとメモを取り出し、
一語一句漏らさないように必死に聞きかじってレシピを写した。

そのレシピは後で記すとして、今でも私はそのパスタを開眼パスタと名付けて、折に触れ作っている。
そして、この開眼パスタをベル・グストのオリーブオイルで3つの味わいに仕立て、
その日の気分、その日のワイン、その日の語らいなど、フレキシブルにその味を楽しんでいる。
そしてそのどれもが、簡単すぎる開眼パスタの奥行きを広げ立派な一品にしてくれるのだ。

たかがオリーブオイル、されどオリーブオイルをまざまざと感じている。
そのまざまざと感じているオリーブオイルをご紹介したい。
拙く、上手に伝えられていないかもしれないのはご愛敬としてほしい。

『Diomede(ディオメーデ)』
このオレアリアクレメント社のトロイ戦争を戦った英雄ディオメダスに発するオリーブオイルを
象徴するかのような、この少し難しい顔がラベルになっているEXVオリーブオイル。

この顔からは想像できないほどの、やわらかく甘くてくせのないこのオリーブオイルは
何にでも使えるという便利で常備しておくには最適の1本だ。
火を使う料理にもそのままかけていただく料理にも、決して主張せず寄りそうな味で、
サラダオイルと同じような感覚で直感的に使えるすぐれもの。
オリーブオイルはこれからという方や、ちょっと苦手なのという方にお勧めしたい。

『MonagnaSakuraBIO(モンターニャ・サクラ・ビオ)』
ビオと付けられているのからわかるとおり、オーガニック限定商品のオリーブオイルだ。
想像を裏切らないオリーブオイルらしさをしっかりと備えていて、独特のピリッとした食感や、
フルーティーな味、太陽と草木を感じる香りをしっかりと感じることができる。
きっとオリーブオイルが苦手という方は、この三位が苦手なのだろうと思うのだけれど、
このオリーブオイルは、さらりとあっさりとした口当たりで痕跡を残さない味わいに驚かれると思う。
個性もありながら、美味しいと感じてもらえる稀有なオリーブオイルだと思う。
根幹食材のひとつでもあるオイルをきちんと考えて使いたいという方にお勧めしたい。

『ReManfredeD.O.P/Dauno(レ・マンフレディD.O.P/ダウノ)』
D.O.P限定商品といって“保護指定原産地表示”がされているこのオリーブオイルは、
厳しい規定に基づいて登録管理されたオリーブオイルだ。シチリア国王フェデリコ2世の息子の名が付けられたのは、

この地をマンフレディがこよなく愛しこの地の息子の意味が込められているのだろう。
そして後にこの地の王となるマンフレディの名をもつにふさわしいオリーブオイルだと思っている。
ワインと同じように、まずこのオリーブオイルは豊潤だ。
よく熟したオリーブを使っているにほかならないのだが、その色は極めてフレッシュで若々しい。
丁寧にじっくりと愛情をこめて作られたということを感じるオイルだと思う。
アーモンドのような食をそそる香りが鼻先に香ったら、料理がワンランク上がる。
そして、このオイルがつなぐ統一感、一体感のようなものが生まれ、美味しさを包み込むような作用がある。

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【開眼パスタ】
 パスタ … お好きなだけ
 EXVオリーブオイル … お好きなだけ
 塩/胡椒 … 適当
 ドライバジル … お好きなだけ

 <作り方>
 茹であがったパスタにオリーブオイルをかけ、塩胡椒、ドライバジルを振って食べる。

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これを書きながら、今宵は開眼パスタを食そうと思っている。

ボナぺティート!!!!

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スキンケアにもどうぞ、オリーブオイル。

エステシャンの友人や、お化粧品メーカーにお勤めの彼女にはナイショにしていることがある。
いきなりの出だしですみません。
本記事は、飲むだけじゃないオリーブオイルのお話。

私はオリーブオイルを専用のプッシュボトルに入れている。
使い方は1〜2プッシュして、洗顔(クレンジング)、ハンドトリートメント、ハンドクリームなどに用いる。
こんな使い方をするのは私だけ!?と思って、ずっと胸にしまって誰にも言わず用いて来たけれど、
調べたら、洗顔(クレンジング)は、美容研究家の岡江美希さんが提唱していたし、
ハンドトリートメントは、パーツモデルの金子エミさんが紹介していた。
間違ってない!と確信を持って、私も堂々とご披露させていただこうと思う。

【朝の洗顔に】
 朝、私は洗顔料で顔を洗わない。
 このオリーブオイルで洗顔するのだ。
 朝の肌にぎゅぎゅーーーーーっとオリーブオイルが染み込んで、
 びっくりするくらいスッキリ&しっとりを同時に手に入れられる。

 小鼻の回りや、オトガイはよく肌がざらついてゴマージュやピーリングを定期的に行っていた時期もあるけれど、
 今ではすっかりご無沙汰している。
 その方法とは。
 フェイスタオルを水で濡らし(ここでミネラルウォーターを使うとより効果的)、電子レンジで1分30秒程度チンする。
 その間に、ボトルから2プッシュオイルを手に取り、フェイスマッサージをするようになじませ、ティッシュでやさしく拭き取る。
 電子レンジで蒸されたフェイスタオルを10秒前後顔にのせ、顔に残ったオリーブオイルをふき取る。
 力を入れてふき取らずやさしく、2回繰り返す。
 その後は、いつものスキンケアで完了。

【ハンドトリートメント】
 職業柄、キッチンでの作業が多い。
 そうなると当然水仕事が増える。
 冬など、少しでも油断すると手がとてもひどいことになって、自分のテンションも下がる。
 ならばと思いついたのが、食器や調理グッズを洗いながら行うハンドトリートメント。
 読んでる方の「そんなこと出来るのぉ〜。」という顔が思い浮かぶが、出来る。
 先にも書いたが、ほぼ同じ様な方法でパーツモデルの金子エミさんも行っている遠隔お墨付きなのだ。
 では、その方法を。
 両手にまんべんなくオリーブオイルを塗る(少しくらい多くても平気)。
 薄手のビニール手袋をはめ、手首部分を輪ゴムなどでとめる。
 その上にゴム手袋をはめて、洗い物を40〜45度の熱湯で洗う。(時間をかけるほど効果大)
 はめたゴム手袋、ビニール手袋を外したその手はしっとりつややか。
 オイルが残った感じがしたら、そのままハンドクリームとして塗る。

これが私の飲むだけじゃない、オリーブオイルの使い方だ。
私の肌は、これほどまでオリーブオイルを求めていたのかと思うほど、オイルが浸透していく。
そして、いやなベタつきも匂いも残らず、すっとさっと肌を輝かせてくれる。

私の個人的な見解だが、口から摂取するオリーブオイルが肌に悪いわけがないと思っている。
オリーブオイルでを使うということは、食材であるという安全性、洗顔後のつっぱりもなく乾燥しない機能性、
そして、500ml/2000円台のコストパフォーマンスの実用性のメリットがあると思っている。

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日本の夏に。

夏の冷奴ほど、喉越しつるりで涼しい気分になれるものはない。
お蕎麦や素麺、冷や麦などもそうだが、日本の夏を彩る食の彩りは素晴らしいといつも思う。
暑いのに、そこはかと漂う切なさや、夕立後のうなじに落ちる後れ毛を揺らす風の空気はとても独特で恥じらいを伴ってそっと寄り添う。
そんな日本の夏の憂いを帯びたレシピを紹介したいと思う。
それは、冒頭に記した豆腐。
木綿豆腐でも絹豆腐でもどちらでもお好きな方を使って、お豆腐をチーズにしてしまおう。
そして、たっぷりとオリーブオイルとバジルをふって、トマトペーストをたっぷりとかけて味わおう。
夏のおもてなしに私は欠かせない。名付けて『トーフの前菜ビアンコとロッソ』。


【トーフの前菜ビアンコ】ウォッシュタイプのチーズのような味わい
豆腐(木綿でも絹でも) … 1丁
★ローズソルト  … 適宜
★甘塩  … 適宜
オリーブオイル  … 小さじ2
スイートバジル … 適宜
黒胡椒 … 適宜

<作り方>
1.豆腐をキッチンペーパーなどに包み、重しなどをしてしっかり水切りをする。
2.1に★の塩をやさしく擦りこみ、きっちりとラップをして一晩冷蔵庫で寝かせる。
3.2を適当な大きさに切ってお皿に盛り、胡椒を挽きオリーブオイルを回しかけスイートバジルを散らす。


【トーフの前菜ロッソ】スモークタイプのチーズのような味わい
豆腐(木綿でも絹でも) … 1丁
お好みの味噌 … 適宜
トマトペースト  … 大さじ2
パセリ(みじん切り) … 適宜

<作り方>
1.豆腐をキッチンペーパーなどに包み、重しなどをしてしっかり水切りをする。
2.バットにラップを敷き、その上に味噌を豆腐の幅で押し広げ、その上にキッチンペーパーを広げ1の豆腐を乗せ、
その上にさらにキッチンペーパーを広げ、味噌をその上に豆腐の幅押し広げのせる。
3.ラップをきっちりとかけ一晩冷蔵庫で寝かせる。
4.2を適当な大きさに切ってお皿に盛り、ポモドーロをかけパセリを散らす。


さぁ!ボナペティ!

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