ピッツァの思ひ出。

ピザ大好き!ピッツァと言いたい、ピッツァと。
ローマでは、1カットのピッツァが日本のカップヌードルの同じくらいの金額で買える。
軽く長財布くらいはあるその1カットの大きいことったら!でも生地がパリッパリでちっとも重くなくて、
小腹が空いた時によくデリカテッセンで買っていた。
そんな時は決まって店先に用意された椅子に座ってや、歩きながらだった。
決して平坦ではなく、アップダウンの多いローマは、それでも歩く街だった。
そして食べ終わるのは、なぜだか必ずジェラード屋さんの前でその誘惑にいつも負けていた。
それでも、石畳でパティオみたいな噴水の横に広がるテーブルと椅子に腰をかけて夕日を浴びながら過ごす時間が好きだった。
トマトとチーズの香り、チョコレートの香り、コーヒーの香り。
緑よりも、水のイメージが私には強いローマだけど、その圧倒されるほどの石の世界に魅了され続けた。
目が合えば、シニョーラ、シニョーレ、ボンジョルノ!!!と笑う。
そうかと思えば、これ以上ピッタリできないでしょう〜と思うほどのタイトスカートの深いスリットから、10cmくらいあるヒールをカツカツならし、
ビシッと夜会巻きにアップしたヘアスタイルで足早にすれ違うキャリアウーマンもいる。
目的にまっしぐらな視線は、寝起きの様なゆるい日本人の私には目もくれない。
彫刻刀で作ったでしょって思うほどの鼻の高さは、そのプライドとヒールの高さに比例していると、
ピッツァも頬張りジェラードをベロベロ舐める私は勝手に納得していた。
決して大きくないイタリア人。だけど肩を使って、オーバーリアクションで話す姿は、とても魅力的だった。

そんな思い出があるローマに思いを馳せて、トスカーナのカホリ、トマトソースの『ブルスケッタ』。
このソースを使って、シンプルなピッツァを作る。

ピザ生地にたっぷりと塗り、パルメジャーノレッジャーノを削り焼く。トッピングに、生ハムとバジル。
オーリオサントをたっぷりとかけて!

もうひとつ、シンプルなピッツァを。使うペーストは『ジェノベーゼペースト』。

蓋をパカッと開けると、バジルとオリーブオイル、グラーナパダーノ、にんにく、とにかく、とにかく、ものすっごくいい香りがして困る。
焦る必要なないのに、早く作らなきゃと思う。

ピザ生地にこのペーストをたっぷり塗って、スライスした玉ねぎ、ゴルゴンゾーラとパルメジャーノレッジャーノをこれまたたっぷりと乗せて、オーブンへ。プクプクとペーストが踊り、チーズが沸々と溶ける。クラフト生地のふちがパリっとなって、ますます気持ちが高ぶる。
ルッコラをたっぷりと乗せて、たっぷりたっぷりで。鷹の爪の細い輪切りで、刺激を加えて!

ピッツザが焼き上がるまでは、カンパリオレンジでノドを潤わすのがおすすめ。さぁ!ボナペティート!!!!

ROMAKO の紹介

エッセイスト/料理研究家/フードアナリスト/Jr.オイスターマイスター <発売中>エッセイ&レシピ『食感シーソー』ROMAKO著/文芸社/1,470円(税込) 『食べることは生きること』という信念を持って、イベント目線で日々の食をエッセイで綴る、簡単で食材の組み合わせに驚きのあるレシピを、ベル・グストの食材を使って提案します。
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