古代というと。

古代というと。
古代ローマ、と思い浮かぶ人は、史学に造けいがあるのかもしれないが、私の場合はちょと違う。
ちょっとじゃないかもしれない。
思い浮かぶのは「古代進」。
そう、宇宙戦艦ヤマトの主人公、実写版では木村拓哉さんが演じたあのアニメキャラクターだ。
ささきいさお氏が歌う宇宙戦艦ヤマトの主題歌は私が唯一エレクトーンで弾ける曲だ。
♪さらば〜地球よ〜旅立つ船よ〜宇宙戦艦ヤマト〜〜〜〜♪タッタラ〜タタタ、タッタラ~
何度聴いてもいつ聞いても、イントロの曲が流れるだけで血がさわぐ。
今観ても、このアニメは大人だと思う。
松本零士氏、あのベレー帽と髭の下にはロマンチックな性格が隠れているのだと思う。
始まりはこうだ。
同級生の男子はテレビアニメで宇宙戦艦ヤマトを毎週観ていた。
その放映の翌日のクラスはヤマトの話で持ち切り。
男兄弟のいない私はすっかり出遅れてしまい、ブーイングの中宇宙戦艦ヤマトの話を教えてもらった。
そして、それから毎週ヤマトを観るようにすのだけれど、アルプスの少女ハイジの誘惑にいつも負けていた。
結局私がちゃんと最初のアニメシリーズを全部完全に観るのは大人になって再放送されてだったというとは言うまでもない。
今でも浮かぶ、ヤマトがイスカンダルに到着し、星の血を引くたったひとりの生存者スターシャ映し出されたシーン。
横向きで祈りの手を胸元においているスターシャ。
今の概念でいけば、彼女は宇宙人なのだけれど地球人の私も宇宙人のひとりには違いないのを思い直して複雑な気持ちになったりしていた。
それはさておき、すっかり大人の私はきゅんきゅんしていた。
その儚げな感じ、長過ぎるまつ毛、富士の裾野のように伸びた髪の毛、長くて細い腕。
私が持っていないものを全て持っているスターシャに、やっぱり世の男性はこんな風な女性が好きなのよね。あーあ。と、
描かれているのはアニメの世界なのに、奥歯をギリリと噛んだりしていた。
古代君(この呼び方を覚えていてください。)のお兄ちゃんを虜にしていたスターシャ、ほぉらねって思ったのだ。
そして、私が本当の意味で宇宙戦艦ヤマトにハマった映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」にシリーズとしては続くのだか、
テレビアニメをすっ飛ばし、未成年で16歳以下だった私は父親にねだってその映画を劇場で観せてもらった。
エンドロールが流れても立てないくらい、その物語の終わりに打ちのめされた純粋なROMAKO少女はえんえん泣きながら劇場を後にし、
それでも父親にねだることは忘れずサントラ盤のLPと映画のパンフレットと文庫本を買ってもらった。
家に戻ってサントラ盤を聞きながらえんえんと泣き、パンフレットを観ながらシーンを思い出しておいおい泣き、文庫本を読み始めた時に
それは衝撃となって私に落ちて来た。
こっ、これはっ!!!!!
古代進と森雪、悲恋物語じゃないの!!!!!(←当時はこんな上手に思えなかったけれど)
沖田艦長の数回忌でヤマトの乗組員が集まり思い出にふけり、平和の地球を喜びながらも平和ボケをしてしまい、
ヤマトの活躍で手に入れた幸せも記憶の彼方に忘れ去られたことに嘆きつつ、古代進と森雪の婚約に沸く。
その結婚するふたりのデートや、恋人の会話、そしてキスシーンなど、映画には無かったエピソードが文庫本には随所に色濃く語られ、
嵐の前の静けさよりも酷く彼らにはその甘い幸せが長く続かず再出動しなければならなくなることを予見させながら、 
物語はそこへ続いて行く。
古代進は森雪を地球に残してひとりで乗り込むことを決め、強くやさしく必ず還って来て式を挙げようと告げ乗り込む。
しかし、何かを予感した森雪は、古代進黙って自分も乗組員としてヤマトに乗る。
その二人の運命は・・・・、ROMAKO少女号泣す、なのだ。
森雪は、古代進をずっと「古代君」って読んでいる。
古代君、古代君、回りに夫になる相手を今も古代君はないだろうと冷やかされながらも古代君と呼び続ける。
それが、なんとなく初々しくて清楚でやさしくてか細くてきゅんきゅんなのだ。
ROMAKO少女は森雪に学んだ。
“大好きな男子のことは“君”づけで呼ぼう!”
大人になって、年齢の離れた恋人のことを君づけで読んだら『馬鹿にしているんだろう。』と振られた。
学び間違うととんでもないことになる。
ROMAKO、21才の春だった。
その年齢は、今の私からすればもう十分に古代という。

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【古代小麦のリゾット仕立て】

 (2人前)
 古代小麦 … 1カップ

 にんにく … 1片
 たまねぎ … 1/4個
 小エビ(乾物) … 25g
 オリーブオイル … 大さじ3
 ブイヨン … 600cc
 ローリエ … 1枚
 白ワイン … 50cc
 塩/胡椒 … 適宜
 パセリ … 3枝

 <作り方>
 1.鍋にオリーブオイルを熱し、芽を取ってつぶしてみじん切りをしたにんにくと、みじん切りにたまねぎを炒め
   香りがたったら、小エビを入れ白ワインを注ぎ、アルコールを飛ばしながら炒める。
 2.1に古代小麦を入れ軽く炒めたらブイヨンとローリエを入れ弱火で20分煮る。(ブイヨンが足りなくなったら新たに足す。)
 3.ほぼ水分がなくなったら、塩、胡椒で味を整え、一煮立ちさせ水分を飛ばし、みじん切りのパセリを半分混ぜる。
 4.器に盛り、残りのパセリで彩る。

ROMAKO の紹介

エッセイスト/料理研究家/フードアナリスト/Jr.オイスターマイスター <発売中>エッセイ&レシピ『食感シーソー』ROMAKO著/文芸社/1,470円(税込) 『食べることは生きること』という信念を持って、イベント目線で日々の食をエッセイで綴る、簡単で食材の組み合わせに驚きのあるレシピを、ベル・グストの食材を使って提案します。
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