“Support for HIGASHI NIHON”

すっかり秋になった。
昨日からお天気ニュースでは、この秋一番の冷え込みと言いおまけに今日はしとしとと止まない雨の1日だ。
最高気温は17度しか上がらず、涼しいではなく寒い。
この寒さ、この感じ、あの日と同じだ。
春の陽射しがときおり射しはじめたばかりの2011年3月11日、東日本大震災が起こった。
東京は晴れていたし、少しだけ暖かかったけれどまだ皮のトレンチコートを着ていた。
あり得ないほど『揺れた』、都市機能が麻痺するほどだという状況にじわじわ追いつめられて行く。
繋がらない電話、駅から放り出された人々がただそこにいるしかない1分が1時間にも感じられる状態に苛立ちを隠せなくなってくる。
スピーカーから流れるアナウンスは、復旧のめどはまだたちません。今しばらくお待ちください。だけが繰り返され、
人の声だったし息づかいも荒かったけど、無情だった。
ただそこにぽつんと立っていた3時間と人ごみが恐くなった私は近くのホテルへ行き、疲れた身体と覚醒し続ける精神を抱え帰宅困難者になることを悟った。その悟りは被災してから5時間後覚悟になった。
私は地下鉄内で被災した。
地震が起きる時、地響きの様な唸る声の様な地球の呻きはまるで断末魔の叫びのようで、誰が唸っているの?誰の叫び?と思った。
ホームを定刻に発車しない電車は、その直後ホームに叩き付けられるんじゃないかと思うほど激しいシーソーのように揺れた。
映画なら、ここで悲鳴のひとつが発せられそうだけれど、実際は違った。
誰も口を開かず、この揺れが収まるのをひたすら待った。
短い間隔で3回揺れる間、地下鉄の重たい車両がただの箱になってカッカッカッカッカとリズムを刻む音だけを聞いていた。
揺れが収まったとき、車内は停電し「只今地震が発生した模様です。詳しい情報がわかるまで今しばらくお待ちください。
そしてこの地震の影響で停電いたしております。これより暖房が効かなくなります。ご了承願います。」と聞こえた後、
「ホームに降りてください!乗客の皆様ホームへ降りてください!点検・・・乗客の皆様!津波警報が発令いたしました!
今すぐ地上へ上がってください!津波警報が発令いたしました!今すぐ地上へ上がってください!」
車内も構内もけたたましいサイレンとアナウンスが鳴り響き繰り返され、ここで初めて女性の悲鳴が轟いた。
私一人、これからどうしたらいいの?と思いながら、一方では私一人くらいなんとかなるわと思っていた。
そして繰り返す余震の中、ゆっくりとでも確実にこの日何が起こったのかを知ることになった。
あの日以来、いろんな問題が吹き出してくる中でも被災地支援をすることが当たり前になった。
どこかの社長のような、どこかのアーチストのようなことは出来ない。
だけど、自分にできることを見つけ途切れないように続けている。
一番最近に行ったことは自分の本(エッセイ&レシピ『食感シーソー』ROMAKO著/文芸社/1,470円(税込))を献本した。
そして、このベル・グストでも“Support for HIGASHI NIHON”と銘打って支援を続けている。
自分が健康じゃないと支援だってできない、私はそう思っている。
日々使うもので支援ができる、続けられる支援ができることが最良の方法だと思う。
100歳を迎えた聖路加国際病院の日野原理事長は、毎朝アップルジュースにティースプーン1杯〜4杯のオリーブオイルを混ぜて飲んでいる。
このことは、先生が語る良質なオリーブオイルは動脈硬化を防ぎ、血行不良の改善、血液循環を良くする事実の証明だと私は思っている。
ベル・グストの“Support for HIGASHI NIHON”、よろしくお願いいたします。
————————————————————

帰宅困難者になって一睡もせず、翌朝やっと動いた電車で帰り着き摂った食事はなんだったのだろうか。
今日、このブログを記しながら思い出そうとしているのに思い出せない。
だから、気持ちを称してペンネアラビアータを紹介する。アラビアータは、怒りんぼという意味だからだ。
私は、震災後の政府の対応、東電の対応、全ての情報操作、静まらない風評被害に憤りを覚えている。

【アラビアータ】
 ペンネ … 120〜160g
 にんにく … 1片
鷹の爪 … 2本
オリーブオイル(モンターニャ・サクラ) … 大さじ4
トマトの水煮缶 … 1缶
トマトソース(伝統風味) … 大さじ1
はちみつ … 大さじ1
塩・胡椒 … 適宜
バジル … 適当

 <作り方>
1.ペンネを茹でる。
2.鍋にオリーブオイルを熱し、潰してみじん切りにしたにんにくと、種を抜いた鷹の爪を炒め香りが立ったら
ベーコンを炒め、トマト水煮缶、トマトソース、はちみつを入れて3分の2くらいになるまで煮詰める。
4.3に茹で上がったペンネを入れ、あおりながら塩・胡椒で味を整え、器に盛りバジルで彩る。

ボナペティート!!!!

ROMAKO の紹介

エッセイスト/料理研究家/フードアナリスト/Jr.オイスターマイスター <発売中>エッセイ&レシピ『食感シーソー』ROMAKO著/文芸社/1,470円(税込) 『食べることは生きること』という信念を持って、イベント目線で日々の食をエッセイで綴る、簡単で食材の組み合わせに驚きのあるレシピを、ベル・グストの食材を使って提案します。
This entry was posted in Essay(いろいろと), Pasta and item: , , , . Bookmark the permalink.

コメントは停止中です。