<コラトゥーラ・ディ・アリーチの話>


いにしえ、ローマ時代から使われていた万能の調味料“ガルム(Garum)”の伝統を引き継ぐ、100%ナチュラル調味料古代ローマ人が欠かせない調味料としてこよなく愛したといわれる魚醤・ガルム。当時は、イワシやサバなどの青魚をあたまや内臓ごと塩漬けにして熟成・濾過したものをさまざまな食材の味付けとして食べていたようですが、その不可欠の食材も、ローマ帝国の盛衰と運命を共にするように、歴史の表舞台から姿を消して行ったようです。時を経て蘇ったコラトゥーラ・ディ・アリーチは、ガルムの特性を引き継ぎながらも、少しおしゃれに食卓のエレガンスを身にまとっての登場であったようです。

水揚げされたカタクチイワシは、その日のうちに頭と内臓が取り出され、オーク材で作られたテルツィーニョと呼ばれる専用の樽に、これも天然の海塩とカタクチイワシを交差に順序良く、樽の三分の一程度まで何層にも並べられます。そして樽は木のフタで閉じられ、その上にピエトラ・マリーネ(海の岩)と呼ばれる重しが乗せられます。その圧力と熟成が進むことによって表面に浮かび上がってきた液体を取り出し、保存します。その後、夏の太陽の強い光に直接さらすことによって、カタクチイワシの熟成はさらに進みます。およそ4~5ヶ月に及ぶ熟成の過程を経た最後のプロセスで、いちど保存しておいた液体を再び樽に戻します。液体は再び魚の旨みの間を、ゆっくりと濾過するかたちで落ちていきます。このとき樽に濾過した液を取り出すための小さな穴を開けます。この穴からポツリ、ポツリと滴り落ちる液を別の容器で受け止めます。こうして集められた液体は、その後数回の濾過を繰り返しながら不純物を取り除くことによって、美しい琥珀色の透明で澄みきった液体が得られます。通常、10月の終わりから11月にかけてコラトゥーラ・ディ・アリーチは出来上がります。漁獲からじつに7ヶ月から8ヶ月の長旅を経て、わたしたちの食卓に運ばれることになります。

魚介に、パスタに、肉料理に、レシピは、まさに万能の名に恥じない多彩な展開をみせます
魚の凝縮されたエキスともいうべき調味料コラトゥーラ・ディ・アリーチは、さまざまな料理の裏方として活躍します。豊かな海で育ったことから、魚介料理との相性はとりわけ抜群です。地元では白身の魚をまるごと、にんにく、イタリアンパセリ、トマトといった野菜とともにコラトゥーラ・ディ・アリーチのシンプルな味付けだけで楽しむ煮魚料理“アクアパッツァ”が人気のメニューのひとつです。
しかしながら、これに勝るとも劣らないのがパスタとの相性。スパゲッティやリングイネに、にんにく、トウガラシ、オリーヴオイル、材料はたったこれだけ。そこにコラトゥーラ・ディ・アリーチの味わいが加われば、類まれなパスタの一品“アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ”が出来上がります。もちろん、ボンゴレなど魚介のスパゲッティにもその威力を発揮します。さらには、肉料理の味付けに応用がきくとあれば、万能の調味料たるゆえ んが納得できます。
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