昨年につづき2回目となる”イタリアワイン三千年”の催し。イタリアワインの日本への啓発と普及をめざして、イタリア貿易振興会のコーディネートで、生産者や原産地保護団体などが一か月にわたってプロモーション活動を展開している。
アスティスプマンテセミナーもその一環として行われた。会場はイタリア大使館・大使官邸。普段、およそ訪れることのない場所での開催に、わくわく、キンチョウ、相なかばする。
セミナーは原産地保護団体の代表によるレクチュアを聞きながらのテイスティングというかたちで進んだ。ピエモンテ州アスティのワインといえば、甘口の白、それも味も価格もそこそこ、といったイメージがあった。世界的な消費の拡大で、一時は粗悪品の流通がブランドイメージを低下させた時代もあったという。その後、保護団体や生産者の努力で、白ワイン、とりわけスプマンテならアスティという評価の回復につながった。
今回のテイスティングのテーブルには、発泡ワインの「アスティスプマンテ」6種、微発泡の白ワイン「モスカート ダスティ」2種の計8種、どちらもD.O.C.G認定の高評価ワイン。それぞれ個性的な味わい、飲み口を有しているが、やはり好みは分かれそう。なかでも、適度な発泡度合とキリッと引き締まった飲み口、甘さが邪魔にならないタイプに好感がもたれた。
はじめて知ったことだが、この2種類のブランドワイン、とちらも”モスカート・ビアンコ”という単一種からつくられているということだった。アペリティーヴォにスプマンテ、食後にはモスカートダスティ、すみわけはこういったところか。