いつも年明けに感ずることだが、この時期やたらとイタリアもののテレビ番組が多い。とりわけ今年はNHKがハイビジョン放送をベースにイタリア月間と題して、さまざまなプログラムを組んでいる。イタリア好きにはたまらないのだが・・・。
なぜ?と考えて、なるほどと思った。さまざまな都市国家がせめぎあっていたイタリア半島が、周辺国との係争をも背景とした、リソルジメントと呼ばれる統一運動によって統一国家としてのイタリアが誕生した。今年はその1861年から数えて150年の節目にあたる年、イタリアがとりわけ際立つ理由に納得した。
かつて、ゲーテがイタリア紀行に記したように、冷たくそして威厳に満ちた北ヨーロッパの国々からみれば、イタリアは絢爛たる芸術や文化が咲き誇り、燦燦たる陽光のもとに人々が人生を謳歌する理想の地であった。そして、いまもそれら大半の遺産を継承するイタリアは、たしかに憧れや羨望を生んで止まない希望の地なのかもしれない。
あらためて想う。多くの人々にとって新年の幕開けは、晴れがましく、希望への予感に満ちたものなのだろう。そんな想いがイタリアへの憧憬にダブるのかもしれない。正月にイタリア、なぜか似合うと思うのは、わたしだけだろうか。